平成30年5月16日(水)、「平成30年度 認知症地域連携セミナー」を開催しました。
今回で7回目の開催となりますが、近隣地域の関連機関コメディカルスタッフ・開業医の
先生方など、多くの方々に出席して頂き、過去最高のセミナー参加者(約100名弱)
となりました。
「平成30年度 認知症地域連携セミナー」
・座長:杠葉病院院長 上田 康雄
・演者:杠葉病院精神科 葉室 篤(認知症専門医)
・演題:「認知症みんなで考えませんか? ~症例検討2018~」
(座長を務める杠葉病院院長 上田 康雄)
今回のセミナーでは、主に症例での事例検討をもとに講話があり、アンサードパッドを
用いて「会場参加型」の形式でおこなわれました。
講演では、葉室医師が症例を元に細かくわかりやすく解析・分析して頂き、それを元に
セミナー参加者が様々なヒントから一緒に症例について考え、アンサードパッドで
回答していました。
【ポイント1】
(詳細な問診)
・物忘れ・幻覚などの症状に関して、「具体的にどうあるのか」をしっかりと聞き取って
いく事がまずは大切であること。
(特別演者を務めた杠葉病院精神科 葉室 篤医師(認知症専門医)
【ポイント2】
「レビー小体型認知症」について
①レビー小体型認知症の新しい診断基準(201)の変更
中核的特徴に
・認知機能変動、幻視、パーキンソニズム+REM期睡眠行動異常症が追加
②レビー小体型認知症の症状頻度と初発症状の出現頻度
・妄想50%、幻覚70%~80%、昼間の眠気20%、パーキンソン症状70~75%
抑うつ50%、嗅覚障害80%、便秘80%(日本認知症学会)
・初発症状:記憶障害60%、精神症状15%、パーキンソン症状15%(小坂ら)
・短いonset、手首固縮(福井)
③REM睡眠障害、薬剤感受性亢進
・夜中に大声で叫ぶ(悪夢をみている可能性あり)
・手足を急に動かす
・市販薬でも強い眠気がでる、ふらふらになる
④自律神経障害
・血圧の著しい変動(降圧薬の注意)
・体温の著しい変動(発汗、衣類の調整など)
⑤123ーIMIBG心筋シンチグラフィー
・レビー小体型認知症では、交感神経の機能が低下する
セミナー最後には、会場からの多くの質問があがりました。今後も地域の関連機関の
コメディカルスタッフの方々と密に連携をとりながら、「顔の見える関係づくり」をして
いきたいと思っております。