口腔ケア

口腔ケアへの取り組み

口腔ケア

厚生労働省の報告によると、2010年までの日本の三大死因は、①悪性新生物 ②心疾患 ③脳血管疾患であったが、2011年以降、脳血管疾患に変わり肺炎が第3位となっています。また、肺炎で死亡する者の約95%が65歳以上の高齢者であると報告されています。肺炎の原因の一つとして、誤嚥(食物や異物を気管内に飲み込んでしまう)によるものがあり、誤嚥によって起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいますが、特に高齢者に多いとされています。(高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関していると言われている)

現在、当院へ入院されている患者様も年々高齢化してきており、今後も高齢の患者様がさらに増える事も踏まえ、平成26年度より当院独自の取り組みとして「摂食・嚥下リハビリテーション委員会」を設立いたしました。近年、当院でも誤嚥性肺炎を患う患者様が増加しており、誤嚥性肺炎の予防に対して口腔ケアへの取り組みをおこなっています。
具体的な取り組みとして、B-2病棟では平成27年4月より、嚥下訓練トレーニングを中心とした10名程の小規模なグループ「ほほえみ」を立ち上げました。訓練は毎日1日1回の嚥下訓練のトレーニングをおこない、徐々にですが成果があらわれ、鼻腔の経管栄養をしていた患者様が経口摂取へ数名移行することができました。

摂食・嚥下リハビリテーション委員会での取り組み

主な活動内容

  • 定期の委員会会議の開催(年3回・臨時)
  • チーム医療の提供(歯科医、歯科衛生士、精神科医、管理栄養士、看護師、介護士、作業療法士、薬剤師、放射線技師、精神保健福祉士)
  • ケースカンファレンス

研究・発表

  • 平成27年度 第61回九州精神医療学会発表
    タイトル:単科精神科病院における摂食・嚥下リハビリテーションについて
    ~看護・介護職員の意識調査をもとに今後の課題についての検討~

※研究発表内容については、「当院の病棟勤務をしている職員を対象に口腔ケアに関するアンケート調査を実施。現在、院内でおこなわれる口腔ケアをより良いものにする為への検討を行う」内容です。

  • 平成28年度7月 日本老年精神医学会発表